高畑勲監督心よりご冥福をお祈りしております

運命の輪を回す
スピリチュアル・トータルコンサルタント
真善美(ますみ)です^^

亡くなられた
高畑勲監督を追悼ということで
「火垂るの墓」が放映されていました。


たくさんの名作を
手がけられていた監督だけに
本当に悔やまれます。

宮崎駿監督とは
また別の路線で
独自の空気感というか
作品の奥深さが好きでした^^

特に
『おもひでぽろぽろ』と
『平成狸合戦ぽんぽこ』は好きな作品です^^

天国で
きっと
まだ世に出したい作品の構想を
練っているかもしれませんね・・・。

どうぞ

安らかに
そして
心よりご冥福をお祈りしております。




目次

「火垂るの墓」は反戦映画ではなかった

さて
「火垂るの墓」は
私が小学生のとき
よく終戦の日に放映されていて
毎回観るたびに泣いていました。

節子が衰弱していく様子。
清太が必死に助ける姿。

どれも
切なく悲しくて
やりきれない思いで観ていました。

時代はまだ
反戦の漂う世の中。

はだしのゲンも
普通にテレビや
小学校で観ることがある時代。

子ども心に
「火垂るの墓」も
絶対に起こしてはいけない
戦争というものを
学ぶためのものだと思い込んでいました。

しかし
大人になって
改めて観ると
原爆でお母さんが死んだとばかり思っていたら

物語の舞台は神戸。
焼夷弾に焼かれて亡くなられたと知りました。

はだしのゲンの内容と一緒になって
混乱していたようです。

しかも
節子の物語だとばかり思っていたら
基本的に
主人公である清太の物語であることを
改めて知りました。

空爆を受けて
清太の暮らしぶりは一変してしまいます。

母亡き後
妹の節子と
ともに身を寄せた
おばさんの家で
しだいに
居心地の悪さを感じ
家を出ることになります。

空爆を受け
家がないこと
母がいないこと
父からも
便りがないこと

14歳という若さでは
とうてい
受け入れることは
できなかったのでしょう。

節子も
空爆を受けた時の
工場からの有毒物質を含む雨にあたり
体が蝕まれてしまします。

日本が
敗戦したこと
そこから
父の死を知り
そして
節子の死で
自分の生きる意味を見出せなくなり
おのずと
自死のような形で
命を閉じるのです。

実は
高畑勲監督も
この映画は反戦映画ではないと
おっしゃっています。

映画の中で
亡くなった清太は
亡霊のように
最初のシーンから
あらゆるところで
自分の姿を見ているところが描かれています。

彼の魂は
後悔の念をもって
自分の生き方を
そっと見つめなおしていています。

謙虚さだったり
自己抑制だったり

道を踏み外すことはあれど
もし
自分が違う選択をしていたら
節子は助かり
自分もまた
生きる希望を見出すことができたのかもしれません。

第二次世界大戦という背景は
それは
だれもが
人間の中の残酷さを
表すものかもしれない。

これがもし
東日本大震災当時の
福島を舞台に
原発事故を舞台に
描いたら
なおも同じように
感動する映画になったでしょうか?

高畑勲監督の予言について

生前
高畑勲監督は
こんなふうに語られていたそうです。

「火垂るの墓の清太の行動を愚かだと
責める人がたくさん出るようになった日本は恐ろしい」

最近は
ネットで
清太のエゴせいで
節子が死んだという見方があるようで
たしかに
自由に解釈するとすれば
それは
仕方がないことです。

ただ
14歳の子供が
幼い妹を抱え生きていく姿を
健気に思えず
同情を覚えず
清太の行動を理解できないという
風潮が出てくることが
とても残念だと感じます。

大人になった

改めて
映画をみると
この物語で登場する大人たちは
しごくまっとうで
理性的です。

身を寄せた
叔母さんもまた
意地悪をするわけでもなく
兄妹をそっと支えつつ
しかし
社会性の中で生きていくことを
教えています。

もちろん
世の中
強がりじゃ生きていけません。

でも
自己抑制を
重んじることばかりでも
なんのために
自分が生きているのか
分からなくなってしまいます。

高畑勲監督の予言の通り

子どもの愚鈍ささえも
責める世の中になった
この日本を
もしかしたら
とても異常だと感じることが

必要なのかもしれませんね。

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