ウエスルマン教授によると、旧石器時代のはじめから終わりまで、つまり約42000年前から約11000年前までが、この変容するサイクルの最初の時代だったという。「今日の未開の部族の人々の世界観と比べると、新石器時代の壁画からわかるのは、当時の人々の信仰はアニミズム的(あらゆるものに生命あるいは精霊が宿っていると認める考え方)であり、生命あるものも無いものも、それ自身の超自然的な魂というエッセンスを持ち合わせていると考えられていました。
すべてのものは大自然に内在する英知を備えていることに人間は気付いており、人間もその当時には大自然の英知と深い関係にありました。この原始的なスピリチュアル性は、石器時代に生きていた祖先から現代の私たちにも受け継がれている。当時は自然が神であり、信仰をしている人がシャーマンでした。
第二サイクル時代は新石器時代であり、約11000年前から4000年ほど続きました。この時代は旧石器時代の後、狩猟と採集以外の暮らし方をみつけた時代です。稲作などの農業や、家畜を飼うことにより生計を立て始めました。村をつくって集まって住んでいました。(訳者注:日本では縄文時代の一部に当たる。)
第二サイクル時代でも、信仰を行っていたのはシャーマンに違いありません。自然の全ては、生き物でも石のような無機物でも、生命を宿していると考えられていました。しかし第一サイクルとは明らかな違いもあります。彫刻などで妊娠中の女性が描かれていることです。(訳者注:土偶のこと)妊娠中の女性の原型を崇めるという考えが突出しており、それこそが新石器時代にスピリチュアル的にフォーカスが当たっていたことなのです。
約5000年前、紀元前3000年ごろに、メソポタミア地方にシュメール人が文明社会を築いたのが第3サイクルの始まりです。この時代には多神教という新しいスピリチュアル思想が出現しました。数多くの神や女神が自然の上に君臨していると考えられていました。(訳者注:天照大神、イザナギ、イザナミなどが登場する日本神話は、8世紀に編纂された古事記や日本書紀に書かれている。数多くの神々が登場する日本神話は、この第3サイクル時代における信仰の日本版と理解してよいと思う。)これ以前には、位の高い神とか女神といった概念はなかったと思われます。異論がある評論家もいるかもしれませんが。これは階層的な宇宙観であり、当時の文明が階級的であるために人間自身への見方が変ったことを反映しています。
3000年ほど続いたと思われるこの第3サイクルでは、階級の概念がある信仰が出現しました。
僧侶と呼ぶべき官僚的な人々が、始めて信仰を専門的に行ったのです。
位の高い神々は、超自然的な意味で人間心理の側面をシンボル化したものであり、同時に自然世界の様々な力や側面をイデオロジカルな意味で象徴しています。例えば、ギリシャ神話の天の神であるゼウスは、稲妻などの閃光のエレメントの力を象徴しています。ゼウスの兄のポセイドンは海の神であり、ゼウスの娘のアテナは頭脳明晰で知恵と理性の女神であり、闘いの女神でもあります。
ローマ時代には、ゼウスはジュピター、ポセイドンはネプチューン、アテナはミナルヴァと呼ばれました。ローマ帝国が2000年ほど昔に滅びて、第3サイクル時代が終わりました。
第4サイクル時代では、新しい信仰が誕生しました。一神教です。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教では、あるとき唯一の偉大なる神が、宇宙と全てを創造したと考えられています。その時に創造された天使や大天使や聖人や預言者は、唯一の絶対神より下の位である。再度強調すると、こういった宗教観は当時の人間社会の変化を反映しています。人間社会がより中央集権化され、より階級化されて、王や皇帝がトップに君臨するという形に変ったことが、超自然的なものへ認識も変化させたのです。
アラーやヤハヴェなど呼び名は複数あるが、一神教は唯一の絶対神が超自然を支配すると考えてきました。そしてこれが、この2000年ほど西洋世界で続いている信仰なのです。
第4サイクル時代は比較的長い神政政治的なフェイズから始まり、社会は宗教的な教義に大きく依存していました。
真実は一神教の絶対神の思し召しによって決められており、その絶対神を信仰することは政治的な目的を持った官僚的な僧侶らによって取り行われていた、とセリン氏は言います。
ローマ時代から18世紀でヨーロッパで起こった啓蒙運動(訳者注:特にフランスで著しかった、宗教を脱して科学と知識により生活改善を目指すことを啓蒙する運動)までの約1400年間、こうして一神教は『運用』されていたのです。西洋歴史についての知識人であれば、反論はないでしょう。
この時代のマインドは、ここで大きく変わります。ギルドと呼ばれた中世の同職組合が現在の企業社会のインフラとなったように、科学と主知主義がこの第4サイクル世代のセカンドステージの始まりとなりました。真実は科学と言う新しい神話によって再定義され、信仰は全般的に権威を失いました。科学的合理主義によって支配されたこのセカンドステージは、今まで約300年間続いてきています。(本章の冒頭で述べられたように)スピリチュアル的な覚醒が現在起こってきていることは、このフェイズは終わりに近付いていることを示唆しています。
今は第4サイクル時代の最終ステージであるサード・ステージに向かっていると、セリン氏は主張しています。これはスピリチュアルなフェイズであり、セカンド・ステージを超えるために、科学とスピリチュアル性が統合されてゆくのです。
転記
http://ytaka2011.blog105.fc2.com/
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